生命保険の種類によっては解約する必要がないものがある
生活保護を受けるための条件として、生活に直接必要がなく、処分できるものがあれば、売却して生活費に充てることが求められます。
生命保険も、解約返戻金が大きい場合は、資産と見なされることもあります。
もし生命保険を持っているのを認めたら、生活保護費から生命保険料を支払うことになるからでもあるんですね。
ただ、すべてが解約の対象になるわけではありません。
生命保険の種類や支払いが高額でないものは、生命保険を解約することなく、生活保護を受けることができます。
ただ、生活保護費から生命保険料を支払うことになるので、日常生活を圧迫しないように、高額な生命保険は認められません。
ここでは、生活保護を受けるために、生命保険を解約することが条件になるのか、について詳しく紹介します。
生活保護が受けられる生命保険の条件
生活保護の申請に行ったときに、生命保険があると、生命保険を解約して、返戻金を使ってから来るように言われることがあります。
生命保険の返戻金も、お金なので財産を持っている、とされてしまうんですよね。
でも、生活保護を受ける条件として、生命保険はどんな場合でも、一律に解約しないといけないわけではありません。
保険の種類や返戻金の金額などによって、解約すべきかどうかは違ってきます。
生命保険の種類
死亡・障害・入院給付などの危険に備える目的のものが対象となって、貯蓄性の高いものはのぞかれます。
解約返戻金の金額
あまりにも多額の返戻金が支払われることになる場合には、生命保険を解約しなければならないとされています。
目安は、最低生活費の3ヶ月程度とされていて、30万円以下が目安です。
目安なので、絶対的な金額ではありません。
月々の保険料の金額
生活保護費から、生命保険料を支払うことになるので、日常生活を圧迫しないように、高額な生命保険は認められません。
生命保険の加入形態
契約者・受取人が誰か、ということがポイントです。
生命保険の受取りが、生活保護を利用する世帯のものとなることが条件です。
単身世帯でその保険金が、別居の親族が受け取るような場合には、生命保険を持っていることは認められません。
ただ、単身でも今、入院中で、入院給付金が支払われる場合には、認められます。
生命保険の保険金支払いで収入認定される場合とされない場合
生命保険を解約することなく、生活保護を受けることができたとします。
そこで、生命保険の保険金や返戻金が支払われたら、原則は収入として認定されます。
ただ、例外として、収入認定されない場合もあります。
保険金・返戻金が支払われたら収入になる
生命保険の保有が認められて、生活保護が始まったら、保険金か満期返戻金が支払われた時は、収入として認定されます。
受け取ったお金の中から、すでに生活保護費として受けたお金、開始時点での解約返戻金の額の範囲で、福祉事務所に返還することになります。
ただ、支払われた保険金・返戻金のすべてが収入として認定されるわけではありません。
世帯の自立助長に必要な費用は、収入として認定されません。
保険金・返戻金が収入認定されない場合
郵便局の学資保険だけは、現金・預貯金と同じように取り扱ってきていました。
2004年から、改正されて、生活保護開始時の解約返戻金が50万円程度以下なのであれば、生命保険を持っていても、資産としての判定をしないことになりました。
保険金使途計画書(保険金をどう使うのか)を提出しておけば、生活保護が開始されても、資産があるから生活保護費を返還する対象にはならないようになっています。
まとめ
生命保険を契約していると、生活保護を受けられない、という思い込みは捨てましょう。
確かに、生命保険は、何かあったときにはお金として入ってくるので資産です。
でも、生活保護費で日常生活を圧迫しないなら、資産にもなりません。
保険金が下りたら、原則は。収入認定もされてしまうわけですしね。
もちろん、生活保護を受ける条件としては、生命保険だけでなく、他の条件もクリアする必要はあります。
生活が困窮しているのに、生命保険があるだけで、生活保護を受けられないのは、もったいないですからね。